Column #004
- かたちに残す、愛おしい一瞬
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日常の延長にある、かけがえのない一瞬を残す場所
— テイルズ—
中目黒にあるドッグフォトスタジオ「テイルズ」は、わんちゃんとその家族の“何気ない時間”を、やさしく写し出す場所。その想いやはじまりについて、オーナーの土方翔太さんにお話を伺いました。
そのはじまりは、土方さんが子どもの頃に経験した、愛犬との記憶にさかのぼります。
ダックスフンドの「まつり」の出産に、妹たちと三人で向き合った日。そして、その中の一頭「はなび」と家族になり、共に過ごした日々。
けれど、そのかけがえのない時間は、写真として多くは残っていませんでした。
「もっと残しておけばよかった」そんな想いが、テイルズを生み出すきっかけのひとつになっています。
2025年、中目黒にオープンしたこのスタジオの名前「テイルズ」には、ふたつの意味が込められています。
犬のしっぽを意味する tails と、物語を意味する tales。
しっぽが語るような感情、そしてその子と家族が紡ぐ物語。それらを写真として残していきたい、という想いが込められています。
テイルズが大切にしているのは、過度な演出をしないこと。つくり込まれた“特別な一枚”ではなく、わんちゃんと家族の関係性そのものが伝わるような写真です。
空間にはあえて余白を残し、主役が自然と引き立つように設計。光の入り方や距離感にも細やかに気を配りながら、わんちゃんに無理をさせることなく、その子らしい表情が生まれる瞬間を待ちます。
また、飼い主さん自身も撮影に参加することで、より自然であたたかい関係性が写真に映し出されていきます。
テイルズにとって、撮影は単なる「記録」ではありません。わんちゃんと家族が一緒に過ごす、その時間そのものも大切にしています。
少し特別で、でもどこか“いつもの延長”のような時間。その体験ごと、記憶として残していくこと。それが、テイルズの考える写真です。
日常の中にあるやさしい時間や、ふとしたしぐさの愛おしさ。それらを“かたち”として残していくことは、日々を丁寧に重ねていくことにも似ています。
中目黒という街の中で、わんちゃんと暮らす人にとって、そっと寄り添う存在でありたい。
そしていつか、この街が「日本でいちばんわんこ思いな街」と呼ばれるような流れの一部に。
何気ない日常の中にある、ふとした表情や仕草。
あとから振り返ったとき、それこそが一番愛おしい記憶になります。
その一瞬を、少しだけ丁寧に残す。
そんなきっかけとして、テイルズという場所があります。